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こんにちは。ここから家づくりの「ここから」です。
吹き抜けの高い位置に窓を設けると、1階のリビングまで自然光が届きそうですよね。
ただ、住宅会社から採光計算の説明を受けたとき、「2階の高さにある窓も1階の面積へ足せるのか」「窓が大きければ基準を満たすのか」と疑問が残ることがあります。
吹き抜けの採光計算では、窓が付いている高さだけで算入の可否は決まりません。
その窓がどの居室の開口部として扱われるのか、吹き抜けと居室がどうつながるのかを確認したうえで、窓ごとの有効採光面積を整理する必要があります。
さらに、法律上の計算に使える窓でも、季節や時間帯によってリビングの奥まで明るくなるとは限りません。
私なら、平面図だけで決めず、断面図と採光計算書を並べ、法規上の扱いと実際の明るさを別々に説明してもらいます。
この記事では、窓を数える条件、階段の吹き抜けとの違い、住宅会社へ確認する図面と質問を順に整理します。
- 吹き抜け上部の窓は、居室とのつながりで算入の扱いが変わる
- 必要採光面積と窓の有効採光面積は分けて確認する
- 階段・ホール・別室を経由する採光は自動的に合算しない
- 平面図・断面図・採光計算書で条件を照らし合わせる
吹き抜けの採光計算で窓をどう扱う?部屋との関係

吹き抜けの窓を採光計算へ入れられるかは、まず窓と居室の関係で考えます。
1階リビングから天井までつながる吹き抜けと、階段室や2階の別室に設けた窓では、図面上の扱いが同じとは限りません。
窓の位置だけを見て面積を合計すると、採光に有効な開口部を過大に見積もるおそれがあります。
先に「どの部屋の採光を確認するのか」を決め、それから窓の数え方を確認していきます。
- 窓が属する居室の範囲
- 吹き抜けと別室の仕切り
- 各窓の採光計算への算入可否
- 階段・ホールの扱い
吹き抜けの窓を採光計算へ入れられる条件

リビングと吹き抜けが上下に連続する空間なら、上部の外壁に設けた窓も、居室の採光を検討する候補になります。
ただし、吹き抜けに窓があるだけで、その面積をすべて1階リビングへ足せるわけではありません。
設計者が、その窓をどの居室に属する開口部として整理し、採光計算書のどの行へ入れているかが判断の出発点です。
例えば、同じ高窓でも、リビングの吹き抜け外壁に直接付く窓と、2階の廊下を挟んだ先の窓は、光の通り道も室の区分も違います。
前者は一体の居室として扱えるか、後者は別の空間を経由する採光として扱うのか、図面を示して確認したいところです。
窓が開くかどうかも、この段階では分けて考えます。
開かないFIX窓でも採光に使える場合がありますが、換気のために開けられる窓とは役割が異なります。
同じ外壁に上下2段の窓がある場合も、両方を数えるのか、片方だけなのかは採光計算書の窓番号で確認できます。
光を通すガラスの面積と、法律上算入できる開口部の面積が同じとは限らないため、見た目の大きさだけで判断しないことが必要です。
吹き抜けに窓を設けない案も比較したいなら、窓なしの場合の採光とガラスの条件を整理した記事もあるので、こちらの記事を参考にしてみてください。
リビングの吹き抜けで採光計算する床面積
リビングの採光計算は、まず採光が必要な居室の床面積を確認します。
住宅の居室では、採光に有効な開口部の面積を原則として居室床面積の7分の1以上確保する規定があります(出典:e-Gov法令検索『建築基準法施行令』第19条・第20条)。
例えば、計算対象の居室が21㎡なら、原則の必要有効採光面積は3㎡です。
ただし、この3㎡は「サッシの寸法から出した窓面積が3㎡あればよい」という意味ではありません。
LDKの隣に和室があり引き戸で仕切っている場合は、居室の範囲が変われば必要面積も変わります。
引き戸をいつも開ける予定でも、それだけで和室を含めたり外したりせず、設計者が採光計算の対象をどう整理したか確認しておきたいですね。
実際には各窓の開口部面積へ採光補正係数を掛け、採光に有効な面積を合計して比べます。

また、吹き抜け上部には通常の2階床がないため、そこへ仮の床を置いて単純に居室面積を増やす、と決めつけることも避けたいです。
住宅会社には、LDKを一室として計算しているのか、仕切りのある別室を含めているのか、対象床面積の線引きを平面図で示してもらいましょう。
吹き抜けの広さではなく、どの範囲を法規上の居室として扱うかを先に確認することがポイントです。
採光計算で吹抜けの窓が使えない例
吹き抜けを通して光が届くことと、隣の部屋の窓として法規上算入できることは別です。
例えば、吹き抜けを挟んだ反対側の居室や、吹き抜けに面する別室の窓は、リビングと同じように合計できるとは限りません。
愛知県の建築基準法関係例規集では、吹き抜け部分に面する居室の開口部について、図示した一部の配置を採光上有効でないものとして扱う例が示されています(出典:愛知県『建築基準法関係例規集』居室の採光1)。
これは、どんな吹き抜けの窓も無効という意味ではなく、採光を受ける居室と窓の間に別の空間があるかを確認すべきだという参考になります。
可動間仕切りでつながる二室を一室として扱える規定もありますが、単に扉がある、ガラス越しに明るいというだけでは、その適用を決められません。
開口の幅や仕切り方、適用する確認先の取扱いなどを、設計担当者に説明してもらう必要があります。
図面に窓が複数描かれていても、採光計算書に採用されていない窓があるなら、その理由を聞いておくと納得して判断しやすくなります。
窓と居室の間に吹き抜けやホールが介在するなら、光が届くことだけを理由に算入せず、計算書で採用した窓と根拠を確認してください。
吹き抜け階段の採光計算は居室と別に考える

階段や階段ホールは、リビングや寝室と同じ居室として扱うとは限りません。
そのため、階段途中の窓から光がリビングへ落ちる計画でも、その窓をリビングの必要採光面積へ自動的に加算することはできません。
リビング階段で扉や壁が少ない場合と、ホール階段を扉で仕切る場合では、室の区分も光の通り道も違います。
設計者には、階段を非居室として分けているのか、リビングと連続した空間をどのように扱っているのか、計算対象の室名から確認したいです。
一方、採光計算上はリビングの窓に含めないとしても、階段の窓が昼間の移動を明るくすることはあります。
法規上の面積に足せないことと、その窓を設ける意味がないことは別ですね。
階段の窓について、明るさだけでなく掃除や暑さも検討するなら、こちらの記事を参考にしてみてください。
吹き抜けの採光計算を図面で確かめる条件と手順

窓を数える対象が整理できたら、次は「必要な面積を満たしているか」と「暮らして明るいか」を別々に確認します。
採光計算書だけでは、日差しの差し込む時間帯や隣家の影まで十分に読み取れないことがあります。
平面図、断面図、立面図、採光計算書で同じ窓番号を追える状態にすると、住宅会社の説明を比較しやすくなります。
有効採光面積は窓の面積と補正係数で確認
建築基準法施行令では、各開口部の面積に採光補正係数を掛けたものを合計して、有効採光面積を求めます。
採光補正係数は、窓の上の軒や建物の部分、隣地境界線などとの位置関係、用途地域によって変わる数値です。

窓を大きくしたのに計算上の有効面積があまり増えない場合は、この係数が関係しているかもしれません。
仮に窓の開口部面積が2㎡なら、係数0.5では有効面積が1㎡、係数1.5では3㎡となり、同じ窓面積でも計算結果が変わります。
これは係数の働きを示す仮の計算例であり、あなたの敷地へ係数0.5や1.5が適用されるという意味ではありません。
住宅の居室は原則1/7ですが、2023年4月からは一定の照明設備などの条件を満たす場合に、必要な有効採光面積を1/10以上まで緩和できる制度があります(出典:国土交通省『住宅の採光規定の見直し』)。
ただし、照明を付ければどの家でも自由に1/10を選べるわけではなく、適用条件と確認書類を設計者に確認する必要があります。
採光計算書を見る際は、次の項目を同じ室名・窓番号で照らし合わせると確認しやすいです。
採光補正係数には法令上の上限もあり、屋根面に付く天窓と壁面の高窓では算定上の扱いが異なります。
窓を高くすれば必ず係数が増える、と単純に判断せず、どの数値を使っているかを計算書で確認しましょう。
| 計算書の項目 | 確認する内容 | 図面で見る場所 |
|---|---|---|
| 対象居室 | LDKなどの室名 | 平面図 |
| 対象床面積 | 居室としての範囲 | 平面図 |
| 窓の開口部面積 | 算入した窓の寸法 | 建具表・立面図 |
| 採光補正係数 | 境界・軒との関係 | 配置図・断面図 |
| 有効採光面積 | 窓別の値と合計 | 採光計算書 |
| 適用割合 | 原則か緩和か | 採光計算書 |
表にある値の意味を理解しても、敷地ごとの適法性まで自分で判断する必要はありません。
あなたが確認したいのは、提案のどの窓が、どの条件によって計算へ入っているかです。
必要な有効採光面積と実際の窓面積を同じ数値として説明された場合は、採光補正係数を含む計算の内訳を見せてもらうと判断しやすいです。
平面図・断面図・立面図で確認する条件

吹き抜けの採光では、平面図だけだと窓の高さや上階の仕切りが読み取りにくい場合があります。
窓番号を共通の目印にして、平面図で部屋のつながり、断面図で高さ、立面図で外壁側の位置を確かめましょう。
住宅会社へ図面を依頼するときは、採光計算に使った版と、今検討している窓の配置が同じかも確認しておきたいです。
- 平面図:居室と仕切り
- 断面図:窓の高さと軒
- 立面図・建具表:窓番号と寸法
平面図では居室と階段・廊下の境界を見る
1階と2階の平面図を並べ、吹き抜けの位置をそれぞれ囲ってみてください。
窓のある外壁がリビング上部につながっているのか、それとも階段室や2階ホールの外壁なのかが見えてきます。
間に扉、壁、室内窓、可動間仕切りがある場合は、それぞれの位置と開口幅を確認します。
LDKと隣室の間に引き戸があるなら、引き戸を開けられることと、法令上二室を一室に扱えることを同じものとして判断しないでください。
建築確認の計算ではどの室名でまとめているのか、設計者に線を引いて示してもらうと分かりやすいです。
また、吹き抜けの上部にある窓が1階の平面図には描かれず、2階の図面だけに載っている場合もあります。
そのときは「2階の窓だから1階には関係ない」と決めず、窓番号と断面上の位置をつないで説明してもらいましょう。
断面図では窓の高さと軒・隣地を照らす
断面図では、高窓の下端・上端、窓の中心、直上の軒や庇との高さ関係を確認します。
同時に、配置図で隣地境界線までの距離を見ておくと、採光補正係数の説明が理解しやすくなります。
わが家は吹き抜けのない約30坪の平屋ですが、北側の高窓は、採光に関する条件を受けて当初案より高い位置へ変更してもらいました。
記憶では窓の下端が床から約180cmで、幅は約160cmです。
これは吹き抜け上部の窓を計算へ算入できた実例ではありませんが、窓の高さが設計上の確認事項になることを実感した経験です。

わが家の高窓も採光条件から位置を変更しました。私なら、何cm上げたかだけでなく、なぜその高さにしたのかも確認します。
高窓をどの高さへ設け、開閉や掃除をどうするかまで考えるなら、こちらの記事を参考にしてみてください。
立面図と建具表で窓番号・寸法を照合する

立面図では、同じ外壁にある上下の窓や、庇・屋根との位置を確認します。
建具表では、窓番号とサッシ寸法、FIXか開閉式か、透明ガラスか型ガラスかなどの仕様を見比べます。
例えば、計画途中で高窓の幅を変えたのに採光計算書が旧寸法のままなら、再計算の要否を設計担当者に確認する必要があります。
窓の製品寸法と、計算に採用する開口部面積が同じとは限らないので、どの数字を使ったのかも尋ねてみてください。
計算に採用した窓の一覧と最新の建具表が一致していれば、提案変更による見落としを減らせます。
窓の向きだけでなく、窓の外側に深い軒やバルコニーがかかる計画なのかも、立面図と断面図を合わせて確認します。
窓の上に屋根があるか、空へ向かって開けた場所なのかでも採光の考え方が変わるので、見た目のパースだけで寸法を判断しない方がよいです。
屋根や庇を変更した場合には、窓自体を変えていなくても採光条件を再確認する必要があるか尋ねてみてください。
住宅会社へ聞く採光計算の質問を整理する

住宅会社への質問は、「基準を満たしていますか」だけでは答えが短く終わりがちです。
どの居室、どの窓、どの計算条件で判定したのかを一緒に聞くと、住宅会社の提案を比較する材料になります。
次の5つを採光計算書と図面を見ながら確認してみてください。
- 1階リビングの採光計算には、どの窓番号を算入していますか。
- 吹き抜け、階段、2階ホールは、どの室の範囲として扱っていますか。
- 計算に使った窓面積と補正係数は、どの図面の寸法から出していますか。
- 原則1/7と条件付き1/10のどちらを適用し、その根拠は何ですか。
- 窓の寸法や間仕切りを変更した場合、計算と確認先への照会はどう進めますか。
回答が口頭だけなら、窓番号を書き込んだ図面や、対象となる採光計算書のページで示してもらう方法もあります。
打ち合わせで「採光は問題ありません」と言われた場合も、基準上の判定が問題ないという意味なのか、日中の明るさの予測も行ったという意味なのかを聞き分けます。
この2つを一緒にしてしまうと、計算が通っているのに想像より暗かった、という認識の違いが生まれやすくなります。
複数社の提案を比べる場合は、居室の広さ、吹き抜けの位置、窓の向き、隣地条件をそろえないと計算結果の数字だけでは比較できません。
住宅会社がまだ決まっていないなら、SUUMO注文住宅で商品カタログや実例集を探し、比較候補を広げておく方法があります。
請求後に住宅会社から電話やメールで連絡が入る場合があるため、比較できる範囲の会社を選んでください。
採光の説明を受けて住宅会社ごとの提案を比べる段階になったら、吹き抜けリビングのハウスメーカー選びを整理した記事もあるので、こちらの記事を参考にしてみてください。
なお、制度の適用可否や最終的な計算内容は、建築士などの設計担当者と建築確認を行う確認先に判断してもらいます。
法規上の採光と実際のリビングの明るさは別
有効採光面積が必要量を満たすことは、季節を通してリビングが十分に明るいことの保証ではありません。
採光計算は法令上の条件を確認するもので、日当たりや直射日光の長さをそのまま示す数値ではないためです。
例えば、吹き抜けの高窓から空の光を取り込めても、軒や隣家の外壁によって冬の午後は光が弱まる場合があります。
窓に近い吹き抜けの壁は明るく見えても、1階リビングのソファ側やキッチン側まで同じ明るさになるとは限りません。

朝に食卓で新聞を読むのか、昼間にリビングで過ごすのかなど、自然光が必要な場所と時間を設計者へ伝えると比較しやすくなります。
逆に南面の大きな窓では、昼間の明るさを得られても、夏のまぶしさや室温上昇への対策が必要になることもあります。
型ガラスは視線をぼかす目的に合う場合がありますが、ガラスの種類だけで法規上の算入可否や室内の明るさを決めることはできません。
私なら、同じ条件の立面図と断面図を使い、午前・午後、夏・冬でリビングのどこまで光が届くのかを住宅会社へ確認します。
光の入り方が気になるなら、日照シミュレーションや、同じような間取りの施工例を見せてもらうのも一つの方法です。
計算の確認に加えて、窓の配置や明るさのイメージも比較したいなら、住宅会社の実例集やプラン集が参考になります。
SUUMO注文住宅では取り扱いのある住宅会社のカタログを探して請求できます。
施工例から窓配置を比較
窓を増やした場合だけでなく、窓を小さくした案や位置を変えた案も含めて、法規計算と生活上の明るさの両方を比べたいですね。
法規上の採光が足りている場合でも、窓際だけが明るく生活する場所が暗いなら、光を届けたい位置を指定して提案を見直してください。
窓の数を減らす案で部屋が暗くならないか検討しているなら、こちらの記事を参考にしてみてください。
吹き抜けの採光計算でよくある質問
図面と採光計算書を確認したあとでも、窓の種類や計画変更について迷うことがあります。
よくある疑問を3つに分けて整理します。
- Q. 吹き抜けのFIX窓は採光計算へ入れられますか?
- 採光の対象となる居室の開口部として条件を満たせば、開かないFIX窓も算入候補になります。ただし、換気のために開けられる窓とは別の扱いなので、採光計算への算入と換気計画を分けて確認してください。
- Q. 天窓なら採光計算の面積を必ず3倍にできますか?
- 天窓には採光補正係数に関する特別な算定規定がありますが、適用条件や係数の上限があります。壁面の高窓も同じ扱いになるとは限らないため、設計者の計算を確認しましょう。
- Q. 1/7に届かなければ窓を増やすしかありませんか?
- 窓の配置や採光補正係数を見直すほか、条件を満たす場合に1/10の規定を検討できることもあります。ただし、窓を減らすために安易に緩和を選ばず、法規上の条件と実際の明るさを設計者と確認してください。
まとめ:吹き抜けの採光計算
吹き抜けの採光計算では、窓を高い位置に設けたかどうかだけで、1階リビングに算入できるとは決まりません。
最初に居室と吹き抜けのつながりを確認し、採光計算書に採用されている窓と、その根拠を図面で照らし合わせます。
- 上部の窓は、どの居室の開口部として扱うか確認する
- 必要面積と有効採光面積を分けて見る
- 階段・ホール・別室を経由する窓は自動的に加算しない
- 法規上の判定と暮らすときの明るさを分けて比べる
図面を前に迷ったら、平面図で対象居室、断面図で窓の高さ、採光計算書で算入した窓番号の3つを先に確認してみてください。
そのうえで、適用する規定や最終判定は設計担当者と確認先へ任せ、あなたはどの条件の提案なら納得できるかを比較していくのがよいと思います。
図面で確認する条件が整理できたら、次は吹き抜けを提案する住宅会社を同じ基準で比べる段階です。
比較する条件や会社選びの進め方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

