吹き付け断熱とグラスウールはどちらがいい?比較と選び方

吹き付け断熱とグラスウールはどちらがいい?比較と選び方

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こんにちは。ここから家づくりの「ここから」です。

吹き付け断熱とグラスウールを比較すると、結局どちらがいいのか迷いますよね。

気密を取りやすそうな吹き付け断熱にするか、実績が多く費用を抑えやすいグラスウールにするか、材料の特徴だけを見ると決めきれない方も多いと思います。

結論からいうと、吹き付け断熱とグラスウールは、材料名だけで優劣を決めるより、必要な断熱性能、施工品質、結露対策、標準仕様との差額までそろえて比べる方が失敗しにくいです。

わが家は2020年に桧家住宅で約30坪の平屋を建て、吹き付け断熱のアクアフォームを採用しました。

建築中には吹き付けた状態と厚みを確認できましたが、当時はC値の意味をよく理解しておらず、気密測定までは行っていません。

今なら、断熱材の商品名だけではなく、厚み、UA値、断熱等性能等級、窓、気密測定まで一緒に確認します。

この記事では、断熱性能、気密、結露、施工、費用を順番に比較しながら、あなたの家に合う断熱材と住宅会社を選ぶための判断基準を整理します。

記事のポイント
  • 吹き付け断熱とグラスウールは材料名だけでは優劣を決められない
  • 断熱性能は熱伝導率だけでなく厚みと家全体のUA値で比べる
  • 気密・結露は断熱材より施工方法と防湿設計まで確認する
  • 費用は断熱材の単価ではなく同じ性能条件にした総額で比較する

吹き付け断熱とグラスウールを比較

吹き付け断熱とグラスウールの比較
ここから・イメージ

吹き付け断熱とグラスウールには、施工方法や商品の種類に大きな違いがあります。

ただし、断熱材だけを取り出して比べても、完成した住宅の暖かさや涼しさ、気密性までは判断できません。

まずは大きな違いを整理したうえで、実際の住宅性能へどうつながるのかを見ていきます。

どちらがいい?先に結論

吹き付け断熱とグラスウールのどちらがいいかは、気密施工を含めて任せやすい方法を重視するのか、費用や仕様の選択肢を重視するのかで変わります。

吹き付け断熱は現場で発泡して柱や梁、配管まわりへ密着させるため、複雑な部分にも断熱材を充填しやすいのが特徴です。

グラスウールは製品の種類や厚みを選びやすく、高性能グラスウールを使えば高い断熱性能を計画することもできます。

私なら、材料名で先に決めず、同じUA値や断熱等性能等級を目標にしたときの仕様と総額を住宅会社へ出してもらって比較します。

ポイント
  • 吹き付け断熱は複雑な部分へ充填しやすい
  • グラスウールは製品と厚みの選択肢が多い
  • どちらも施工状態が悪ければ計画どおりの性能を出しにくい
  • 同じ住宅性能を目指した総額で比べる

比較表で違いを整理する

比較項目吹き付け断熱グラスウール
施工現場で発泡繊維状の
断熱材を充填
細部の納まり複雑な部分へ
密着させやすい
切断と充填の
精度が必要
性能比較製品と厚みで
変わる
製品と
厚みで変わる
防湿壁構成と
製品仕様を確認
防湿層の施工を確認
確認したい
施工不良
厚み不足・
吹き残し
隙間・つぶれ・
防湿処理
費用住宅会社の
仕様で比較
住宅会社の
仕様で比較

向いている人は優先順位で変わる

細かな部分の充填まで施工方法でカバーしやすくしたい人は、吹き付け断熱を候補にしやすいです。

高性能品や厚みを選びながら費用とのバランスを取りたい人は、グラスウールを候補にしやすいでしょう。

ただし、住宅会社が日常的に施工している方法には経験や管理体制が蓄積されている場合もあるため、断熱材だけを指定して得意ではない施工方法へ変更するより、会社の施工実績まで確認したいところです。

断熱性能は厚みと家全体で比べる

木造住宅の壁内に吹き付けられた発泡ウレタン断熱材の施工状態
壁内に施工された発泡断熱材の状態

断熱性能を比較するときは、熱伝導率の数字だけを見て吹き付け断熱とグラスウールの勝敗を決めない方が分かりやすいです。

熱伝導率は熱の伝わりやすさを示す数値で、基本的には数値が小さいほど熱を通しにくくなります。

ただし、実際の壁や天井では断熱材の厚みも変わるため、材料単体の数値が少し良いだけで住宅全体の断熱性能が決まるわけではありません。

熱伝導率だけで勝敗を決めず、製品名と施工厚みをセットで比べることがポイントです

熱伝導率は製品ごとに違う

吹き付け断熱の一例であるアクアフォームは、現在の日本アクア公式情報ではJIS A 9526のA種3に該当し、熱伝導率は0.040W/(m・K)以下と案内されています(出典:株式会社日本アクア『比較データ一覧』

一方、高性能グラスウールのイゾベール・コンフォートには、熱伝導率0.032〜0.038W/(m・K)の製品がラインナップされているため、グラスウールだから断熱性能が低いとはいえません(出典:マグ・イゾベール『イゾベール・コンフォート』)

吹き付け断熱にもグラスウールにも複数の製品があるので、比較するときは商品名、熱伝導率、施工厚みまでそろえてください。

UA値と断熱等級まで確認する

室内側から見た、樹脂製フレームの大きな引き違い窓
樹脂フレームの大型掃き出し窓全景

国土交通省では住宅の断熱性能を、建物からの熱の逃げやすさと日射熱の入りやすさから評価し、地域ごとにUA値などの基準を定めています(出典:国土交通省『断熱性能』

つまり、壁の断熱材だけではなく、天井や屋根、床、基礎、窓などを含めた外皮全体で見る必要があります。

断熱材が同じでも、大きな窓が多い家と窓を絞った家ではUA値が同じになるとは限りません。

断熱等級やUA値、気密、耐震まで住宅会社ごとに比較したい場合は、確認する順番を整理できるこちらの記事を参考にしてみてください。

気密と結露は施工方法まで見る

吹き付け断熱とグラスウールを比較するとき、特に誤解しやすいのが気密と結露です。

吹き付け断熱は細かな部分へ密着させやすいものの、吹き付け断熱を使っただけで家全体のC値が自動的に決まるわけではありません。

グラスウールも、防湿層や気密層を連続させて正しく施工すれば、高気密住宅を計画できます。

吹き付けでも気密測定は別に見る

コンセントボックス周辺まで施工された壁内の発泡ウレタン断熱材
配線まわりまで施工した発泡断熱材

家には窓や玄関ドア、配管貫通部、点検口など、断熱材だけでは決まらない空気の通り道があります。

吹き付け断熱を使うことと、完成した家の気密性能が高いことは分けて確認してください

C値を確認したいなら、目標値だけでなく、全棟で測定するのか、測定時期はいつか、基準を外れたときに補修するのかまで聞いておくと判断しやすいです。

気密測定の意味や確認するタイミングまで詳しく知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。

結露は防湿層と壁構成で考える

壁内結露は、室内の湿気が壁の中へ入り、温度の低い場所で水分になることで起こるため、断熱材の名称だけで結露しやすさを判断できません。

グラスウールでは製品によって別途防湿層が必要になるため、室内側の防湿・気密施工がどのようにつながるのかを確認してください。

吹き付け断熱でも、使用する製品、壁の構成、地域、透湿抵抗、外壁側の通気層などによって考え方が変わります。

結露が気になるなら、吹き付けかグラスウールかだけで決めず、その地域と壁構成で防湿層をどう設計しているかを住宅会社へ確認してください。

施工品質で性能差が出る

どちらの断熱材を選んでも、図面で決めた断熱性能を実際の住宅へ反映するのは現場施工です。

吹き付け断熱なら必要な厚みがあるか、グラスウールなら隙間やつぶれがないかと、確認するポイントは違います。

吹き付けは厚みと吹き残しを見る

窓まわりと壁の柱間に施工された発泡ウレタン断熱材
窓まわりに施工した発泡断熱材の状態

吹き付け断熱では、見た目が一面埋まっていても、場所によって必要な厚みを確保できているかがポイントになります。

柱や梁の取り合い、配管まわり、狭い部分に吹き残しがないかも確認したいところです。

わが家では2020年の建築中にアクアフォームの施工状態と厚みを目で確認できたことが、完成後には見えなくなる部分を確認する機会になりました。

吹き付け断熱を採用する住宅会社ごとの仕様や違いも見ておきたい場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。

グラスウールは隙間と防湿を見る

グラスウールは柱間へきれいに納め、筋交いや配線、コンセントボックスなどの周囲も形に合わせて施工する必要があります。

押し込みすぎて厚みが減ったり、断熱材のない部分が残ったりすると、計画した断熱層が連続しません。

さらに防湿フィルムを使う仕様では、継ぎ目や取り合いまで含めて防湿層が連続しているかを見る必要があります。

ここから
ここから

材料の名前より、完成すると見えなくなる部分をどう確認している会社かを見る方が私は気になります。

ここまで比較しても断熱材を決め切れないなら、先に高気密・高断熱住宅を扱う住宅会社の工法や施工事例を並べると、採用できる断熱仕様の幅が見えやすくなります。

LIFULL HOME’S注文住宅では、現在も高気密・高断熱住宅というテーマから住宅カタログを探せるため、断熱材だけでなく会社ごとの工法や施工事例を比較する入口として使えます。

>> LIFULL HOME’Sで高気密・高断熱住宅のカタログを比較する

吹き付け断熱とグラスウール比較の選び方

吹き付け断熱とグラスウール比較の選び方
ここから・イメージ

性能の違いが分かっても、最終的には予算と住宅会社の標準仕様を含めて決める必要があります。

ここからは、費用、メリットと注意点、アクアフォームの見方、住宅会社へ確認する項目までつなげて整理します。

費用は単価より総額で比べる

吹き付け断熱とグラスウールの費用は、1㎡あたりの一般的な単価だけでは判断しにくいです。

住宅会社によって標準仕様が違い、断熱材の製品、厚み、施工範囲、屋根断熱か天井断熱かといった条件も変わるためです。

費用を比べるなら、同じ断熱性能を目指した住宅全体の見積総額で比較してください

標準仕様か変更費用ありかを見る

吹き付け断熱が標準の会社なら、グラスウールへ変更しても必ず安くなるとは限りません。

反対にグラスウールが標準の会社で吹き付け断熱へ変更すると、材料だけでなく施工体制の違いによって追加費用が発生する場合があります。

標準仕様のままでも目標とするUA値や断熱等級へ届くなら、断熱材を変更する差額を窓や気密測定へ使う考え方もあります。

将来の改修方法も確認する

断熱材は完成後に壁の中へ隠れるため、後から簡単に交換する設備とは違います。

吹き付け断熱は構造材などへ密着するため、配線や配管を追加するときに断熱材を削る場合は、補修方法まで確認しておくと安心です。

グラスウールも壁を開ける工事が必要ですが、部分的な取り外しや再充填を検討しやすい場面があります。

吹き付け断熱のメリットと注意点

吹き付け断熱の強みは、現場で発泡させる施工方法を生かして細かな形へ沿わせやすいことです。

一方で、厚みや吹き残しを確認する施工管理が必要で、材料を吹き付けたこと自体を完成品質の保証と考えない方がよいです。

複雑な場所へ充填しやすい

壁と天井の取り合い部分に施工された発泡ウレタン断熱材
壁と天井に施工した発泡断熱材の状態

柱や梁の取り合い、配管や配線の周囲など、形が一定ではない場所でも発泡させながら断熱層をつくれる点は吹き付け断熱の分かりやすいメリットです。

勾配屋根や細かな納まりがある住宅では、この施工性を理由に採用する会社もあります。

施工後の確認が難しくなる

縦長窓のある室内で、壁全面に発泡ウレタン断熱材が施工された状態
縦長窓まわりに施工した断熱材の状態

内壁を張ると断熱材の状態を直接見にくくなるため、施工中の写真や厚みの確認方法を聞いておくことが大切です。

引き渡し後に材料名だけが分かっていても、施工時の厚みや細部の状態までは確認しにくいからです。

グラスウールのメリットと注意点

グラスウールは、性能の異なる製品や厚みの選択肢があり、住宅の断熱計画と予算に合わせやすい断熱材です。

弱点はグラスウールそのものというより、細部の充填や防湿施工を含めて現場品質の影響を受けるところです。

高性能品も選択肢にできる

グラスウールには密度や熱伝導率が異なる製品があるため、グラスウールという名称だけで性能を判断しないことが大切です。

住宅会社には商品名と厚みを確認し、外皮計算へどの数値を使っているかまで聞くと比較しやすくなります。

施工状態を確認できる会社を選ぶ

グラスウールを採用するなら、断熱材の施工写真や現場見学で、柱間や配管まわりの納まりを確認できる会社だと比較材料が増えます。

防湿層の施工方法も聞き、商品性能と施工品質の両方を確認してください。

ここから
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グラスウールだから安い、吹き付けだから高性能と決めつけず、実際の仕様書へ戻って比べると整理しやすいですよ。

アクアフォームで比較するとき

吹き付け断熱を調べていると、アクアフォームという商品名を見かけることがあると思います。

わが家でも2020年にアクアフォームを採用しましたが、現在の商品仕様と2020年当時の仕様を同じものとして扱うのではなく、契約する時点の製品名と性能を確認する必要があります。

商品名より施工厚みまで見る

木造下地の天井裏に吹き付けられた発泡ウレタン断熱材
天井裏に吹き付けた発泡断熱材の状態

アクアフォームを使っていると聞いたら、そこで確認を終わらせず、壁、屋根または天井、床など各部位の施工厚みを確認します。

同じ商品を使っていても、地域や目標性能、建物形状で必要な仕様が同じとは限りません。

LITEやNEOも分けて確認する

日本アクアには複数の商品があるため、アクアフォーム、アクアフォームLITE、アクアフォームNEOなどを同じ性能として比較しないことも大切です。

住宅会社から提案された正式な商品名を確認し、その商品の熱伝導率、厚み、施工箇所、保証や検査方法まで見てください。

アクアフォームを候補にしている場合は、LITEやNEOとの違いや注意点も整理できるこちらの記事を参考にしてみてください。

住宅会社へ確認したい5項目

吹き付け断熱とグラスウールで迷ったら、商品パンフレットを見比べ続けるより、候補の住宅会社へ同じ質問をした方が判断しやすくなります。

私なら次の5項目を各社へ聞き、答えを横並びにします。

  1. 標準仕様の断熱材の商品名と施工厚み
  2. 標準仕様で目指す断熱等性能等級とUA値
  3. 気密測定の有無と実施するタイミング
  4. 防湿層と壁内結露対策の考え方
  5. 断熱仕様を変更した場合の追加費用と総額

この5項目がそろうと、吹き付け断熱かグラスウールかだけではなく、どの住宅会社の考え方があなたに合うかまで見えてきます。

カタログに高断熱と書かれているだけなら、標準仕様の商品名・厚み・UA値・気密測定の有無まで確認してから比較してください。

LIFULL HOME’S注文住宅で実際に何を比較できるのか、資料請求後の連絡や流れまで先に知っておきたい場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。

カタログで候補を広げたあとは、断熱材の商品名だけでなく、標準仕様、工法、施工事例、窓や換気まで同じ条件で質問すると比較しやすくなります。

LIFULL HOME’S注文住宅なら、高気密・高断熱住宅のカタログを探しながら、ハウスメーカーや工務店の候補をまとめて確認できます。

>> LIFULL HOME’Sで断熱仕様を比べる住宅会社を探す

よくある質問

吹き付け断熱とグラスウールを比較するときに残りやすい疑問をまとめます。

吹き付け断熱とグラスウールはどちらがいいですか?
どちらかが一律に優れているわけではありません。同じUA値や断熱等性能等級を目指した仕様、施工品質、結露対策、総額をそろえて比べると判断しやすくなります。
グラスウールは吹き付け断熱より断熱性能が低いですか?
グラスウールだから低いとは限りません。高性能グラスウールもあり、製品ごとの熱伝導率と施工厚みを確認して比較する必要があります。
吹き付け断熱なら気密測定は不要ですか?
不要とはいえません。吹き付け断熱は細かな部分へ密着させやすい施工方法ですが、家全体の気密性能は窓や配管貫通部なども含めた実測で確認します。
費用を比較するときは何を見ればいいですか?
断熱材だけの単価ではなく、同じ断熱等性能等級やUA値を目指したときの住宅総額を比較してください。標準仕様から変更する追加費用も確認します。

まとめ:断熱材より家全体で比較する

吹き付け断熱は複雑な部分へ充填しやすく、グラスウールは性能や厚みの選択肢を持ちやすいという違いがあります。

ただ、どちらを選んでも施工品質が悪ければ、計画した断熱性能を十分に発揮しにくくなります。

断熱性能を比べるときは、熱伝導率だけではなく、施工厚み、UA値、断熱等性能等級、窓まで見てください。

気密と結露については、吹き付けかグラスウールかだけではなく、気密測定、防湿層、壁構成、施工管理まで確認します。

費用も1㎡あたりの断熱材単価ではなく、同じ住宅性能へそろえたときの総額で比べる方が現実的です。

わが家ではアクアフォームを採用しましたが、もう一度家づくりをするなら、商品名だけで安心せず、厚み、断熱等級、窓、気密測定まで確認します。

まだ住宅会社が決まっていないなら、最初から断熱材を1種類に固定せず、複数社の標準仕様を並べるところから始めるのもありです。

LIFULL HOME’S注文住宅で高気密・高断熱住宅のカタログを見比べれば、断熱への考え方や工法、施工事例が合いそうな住宅会社を探す入口にできます。

断熱材を先に決めるのではなく、あなたが求める性能を実現できる会社から比較していくと、選択肢を狭めすぎずに進めやすいと思います。