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こんにちは。ここから家づくりの「ここから」です。
住宅会社の説明で「HEAT20のG1」「G2グレード」と聞くと、G2の方が高断熱なのは分かっても、どの程度違うのかは見えにくいですよね。
断熱等級6と同じなのか、冬の室温が何度になるのか、光熱費の差はどのくらいかも、家づくりの予算を決めるうえで気になるところです。
HEAT20のG1・G2の違いは、単にUA値の大小ではなく、地域別に想定した冬の室温と暖房負荷の目標にあります。
しかも、公式サイトにあるUA値は地域区分ごとの代表都市を対象とした参考値で、断熱等級と一対一に置き換えられるものではありません。
G3や夏向けのG-A・G-Bとの違いも含め、あなたの建築地、暖房の使い方、住宅会社の仕様をどう照らし合わせればよいか整理していきます。
- G1・G2・G3は冬の室温と暖房負荷の住宅シナリオ
- 代表都市のUA値は地域補正が必要で断熱等級とは別
- G2でも室温や光熱費が自動的に保証されるわけではない
- 建築地、暖冷房計画、断熱仕様、見積差額で選ぶ
HEAT20のG1・G2の違いは室温と地域別UA値

HEAT20のG1・G2・G3は、冬の住まいで室温を保ち、暖房に必要な熱量を抑えるための住宅シナリオです。
G1よりG2、G2よりG3の方が高い水準を目指しますが、数値が高いほどすべての人に必要という意味ではありません。
まず何を評価しているかを知り、その後に地域別UA値と国の断熱等級を見比べると、同じ「G2相当」という表示でも確認すべき内容が分かります。
- G1・G2・G3の室温目標を比較する
- 代表都市のUA値と地域補正を確認する
- 国の断熱等級との違いを整理する
- 夏期・中間期のG-A・G-Bを知る
HEAT20のG1・G2・G3とは何を示す?
HEAT20が示す水準は、断熱材の厚さを一律に決めた商品規格ではありません。
冬期の住宅シナリオでは、暖房期の最低室温、15℃未満になる時間と面積の割合、平成28年省エネ基準と比べた暖房負荷削減率などを評価します。
このうち最低室温は、空気温度だけでなく壁や窓から受ける放射の影響を考えた作用温度(OT)の3%タイル値です。
つまり、1年のどんな日でも絶対に下回らない温度ではなく、一定の気象・暖房条件で計算した温熱環境の指標です。
HEAT20の公式シナリオでは、4〜6地域でG1はおおむね10℃、G2はおおむね13℃、G3はおおむね15℃を下回らない水準を目指します。
1・2地域では想定暖房方式も異なり、G1はおおむね13℃、G2は15℃、G3は16℃が目安です。
室温だけでなく、寒い場所や時間を家の中でどのくらい減らせるかを考えるのがHEAT20の特徴です。
そのため「G2なら無暖房でも13℃を保証する」「G3なら全室が常時15℃以上」という読み方はできません。
暖房を運転する部屋と時間、窓からの日射、建物の形も計算の前提になります(出典:HEAT20『住宅シナリオと外皮性能水準』)。
G1・G2・G3のUA値はHEAT20の地域区分で変わる
UA値は、外壁、屋根、床、窓など建物の外側から、平均してどれだけ熱が逃げやすいかを表す数値です。
小さいほど外皮の断熱性能は高くなりますが、HEAT20が公表する数値は、各地域区分の代表都市で住宅シナリオを満たすための参考値です。
| 地域・代表都市 | G1のUA値 | G2のUA値 |
|---|---|---|
| 1・2地域(札幌) | 0.34 | 0.28 |
| 3地域(盛岡) | 0.38 | 0.28 |
| 4地域(松本) | 0.46 | 0.34 |
| 5地域(宇都宮) | 0.48 | 0.34 |
| 6地域(東京) | 0.56 | 0.46 |
| 7地域(鹿児島) | 0.56 | 0.46 |
※単位:W/㎡・K。HEAT20公式の代表都市における参考UA値。
G3の参考UA値は、1〜3地域で0.20、4・5地域で0.23、6・7地域で0.26です。
8地域は、上記のG1〜G3参考UA値表の対象に入っていません。
ここで見落としたくないのが、5地域と6地域の差です。
G2の参考UA値は5地域の代表都市で0.34、6地域の代表都市で0.46となり、同じG2でも求められる参考値が違います。
さらに、同じ5地域や6地域に属していても、代表都市以外の実際の建築地では気候に応じた地域補正が必要になります。
新潟県のように県内でも地域区分や気象条件が異なる場所では、都道府県名だけで水準を決めず、市区町村と建築予定地を確認してください。
HEAT20は2025年4月更新版の外皮性能水準地域補正ツールを公開しており、住宅会社にその計算結果を確認する方法があります(出典:HEAT20『冬期の外皮水準地域補正ツール』)。
HEAT20のG2と断熱等級6は同じではない
断熱等性能等級は、住宅性能表示制度に基づく国の基準で、地域別のUA値などで評価します。
一方のHEAT20は、地域ごとの室温と暖房負荷の住宅シナリオが中心で、代表都市のUA値はその実現に向けた参考値です。
国土交通省の資料でも、おおむねG1は等級5、G2は等級6、G3は等級7に近い水準として示されていますが、これは完全な対応表ではありません(出典:国土交通省編集協力『省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド』)。
| 比較項目 | 5地域 | 6地域 |
|---|---|---|
| HEAT20 G1参考UA | 0.48 | 0.56 |
| HEAT20 G2参考UA | 0.34 | 0.46 |
| 国の等級5 UA基準 | 0.60 | 0.60 |
| 国の等級6 UA基準 | 0.46 | 0.46 |
| 国の等級7 UA基準 | 0.26 | 0.26 |
※単位:W/㎡・K。HEAT20の値は代表都市の参考値、国の値は等級ごとのUA基準上限。
たとえば5地域でUA値0.46の住宅は、国の断熱等級6のUA値基準には達します。
しかし、同じ5地域の代表都市に示されたHEAT20 G2の参考UA値0.34とは違うため、等級6というだけでG2の住宅シナリオ達成まで断定できません。
逆に6地域では等級6とG2の参考UA値が0.46で一致しても、それだけで同じ評価を受けたことにはならないのです。
断熱等級の判定にはUA値以外の要件もあり、正式な等級を名乗れるかは所定の評価方法で確認する必要があります。
断熱等級6を満たしていても、HEAT20 G2の住宅シナリオに適合するとは限らないため、建築地の地域補正と暖房条件も住宅会社へ確認してください。
断熱等級4・5・6そのものの違いや、どの等級を目標にするかを整理したい場合は、国の基準を詳しく扱うこちらの記事を参考にしてみてください。
G-A・G-Bは夏期と中間期を評価する別の水準

HEAT20には、冬のG1・G2・G3とは別に、夏期・中間期を対象とするG-A・G-Bがあります。
2025年7月に提案されたもので、日射遮蔽や外気を使った冷房などを組み合わせ、冷房に必要な熱負荷を抑えることを目指します。
一定条件の基準住宅と比べた全冷房期間の冷房顕熱負荷について、G-Aは30%、G-Bは40%の削減が水準です。
この割合はエアコンの電気料金が一律で30%、40%下がるという意味ではありません。
高断熱にしても、西日が窓から入り続けたり、春や秋に熱を逃がせなかったりすれば、冷房が必要になることがあります。
冬のG2を目指す計画でも、夏の日よけ、窓の向き、外気を取り込む方法、除湿の考え方は別に確認しておきたいところです。
G-A・G-BはG1・G2を置き換える新しい順位ではなく、季節の違う性能を補う視点です。
HEAT20のG1・G2の違いから考える断熱仕様と選び方

建築地に合った参考UA値を知ったら、次は暮らし方と工事内容を照らし合わせます。
「G2が良いと聞いたからG2にする」という決め方では、暖房する範囲や追加工事の費用まで判断できません。
私は、冬の室温をどこまでそろえたいか、どの部屋をどの時間に空調するか、性能向上にいくら追加するかを同じ図面と見積もりで確かめたいです。
- G1・G2の暖房条件と暮らし方を照合する
- 暖房負荷と実際の光熱費を区別する
- 壁・窓・屋根の断熱仕様と気密を確かめる
- G3までの追加費用を同条件で比べる
G1とG2は冬の室温と暖房の使い方で選ぶ

G1はG2より低い断熱水準ですが、予算の中で暖房する部屋を中心に快適性を確保したい人には比較対象になります。
一方、G2は廊下や脱衣室などの温度差を小さくしたい人や、長い時間暖房する暮らしを想定する人にとって、検討する理由があります。
ただし、寒い地域ではG2だから無暖房でよいわけではなく、温暖な地域でも建物全体の室温が同じになるわけではありません。
HEAT20の住宅シナリオは地域ごとに暖房条件が違うため、比較するときは暖房運転の前提を揃える必要があります。
たとえば寝室は夜だけ暖房するのか、廊下と洗面所にも空調を行き渡らせるのかで、求める快適性も設備計画も変わります。
わが家は2020年に九州北部寄りの地域で平屋を建て、現在はリビング、寝室、洋室のエアコンを使っています。
私は生活の中で南側のリビングと北側の水回りの温度差や、冬の窓際の冷たさも感じていますが、自宅がHEAT20のどの水準に当たるかを計測・判定したわけではありません。
実際の住み心地には断熱だけでなく、窓と空調の使い方も関わるという経験として、性能を選ぶ際の参考にしています。

わが家は部屋ごとにエアコンを使っていて、南側のリビングと北側の水回りでは冬に温度差を感じます。断熱の数字だけでなく、使い方も見たいです。
UA値が良くても寒く感じる原因を掘り下げたい場合は、窓・気密・空調の見方を整理したこちらの記事を参考にしてみてください。
G2の光熱費は暖房負荷の条件をそろえて比べる
HEAT20が示す暖房負荷の削減率は、暖房に必要な熱量の比較であって、そのまま電気代の削減率ではありません。
平成28年省エネ基準の住宅と同じ部分間欠暖房の条件で比べた公式シナリオでは、5地域のG2で約60%、6地域のG2で約55%の暖房負荷削減が示されています。
G1は5地域で約45%、6地域で約40%、G3は5地域で約80%、6地域で約75%です。
ただし、これらは指定された住宅モデルと運転条件での比較値であり、あなたの家の電気代を約60%下げると約束する数字ではありません。
現実の請求額には、空調機器の効率、設定温度、在宅時間、家の広さ、日射、電気料金、給湯や家電の使用量なども加わります。

また断熱性能を高めた分、これまで寒くて暖房しなかった廊下や脱衣室も暖めるようになれば、快適さが増える一方で運転条件は変わります。
住宅会社の試算は、延床面積、地域、間取り、冷暖房する範囲、温度設定、料金単価を同じにして比べてもらうと判断しやすいです。
G1とG2の比較に加え、G2とG3の差も同じ前提で計算してもらえれば、追加費用の意味が見えてきます。
G2の暖房負荷削減率を光熱費へ当てはめると誤解が生じるため、試算を見るときは空調分と給湯・家電を含む総電気代を分けて確認してください。
G2はグラスウール・付加断熱なしでも可能?

HEAT20のG2は特定の断熱材や工法を指定する名称ではないため、グラスウールを使う住宅でも目指せます。
付加断熱とは、柱の間に入れる充填断熱に加え、柱の外側などにも断熱材を重ねる方法です。
G2を目指すのに付加断熱が必ず必要とは限りませんが、付加断熱なしで達成できるかは地域、柱の寸法、窓面積、断熱材の性能などで変わります。
壁の厚さだけで判断せず、屋根・天井、床・基礎、窓を含む住宅全体の計算が必要です。
断熱材の厚みと窓・屋根・床を一緒に確認

グラスウールでも通常品と高性能品では熱伝導率が異なり、同じ厚みで同じ断熱性能になるとは限りません。
柱間に何mm入るかだけでなく、天井や屋根の断熱厚さ、床や基礎の納まり、窓の熱貫流率と大きさ、施工時の気密・防湿処理まで確認してください。
わが家は建築当時、屋根と壁にアクアフォームを採用し、屋根約95mm、壁約80mm、基礎約40mmという施工厚さの記録が残っています。
ただし、これらは2020年当時の私の家の記録であり、HEAT20 G2を満たす仕様例として示せる数値ではありません。

私は施工中に断熱材の厚みを器具で確認する様子を見ましたが、今ならそれに加えて計画建物のUA値と地域補正の結果を確認します。
住宅会社がまだ決まっていないなら、断熱材や窓の考え方を確かめる資料として、各社のカタログを見比べる方法もあります。
SUUMO注文住宅では複数社のカタログをまとめて請求できますが、HEAT20への適合や地域補正後のUA値は各社へ確認してください。
C値はG2のUA値だけでは決まらない

C値は、住宅にどの程度のすき間があるかを表す気密性能の指標で、小さいほどすき間が少ないことを示します。
UA値は設計された外皮の熱の逃げやすさで、C値はすき間の量なので、G2相当のUA値を満たしていても特定のC値にはなりません。
HEAT20の住宅システム認証でも気密性などを確認しますが、「G2ならC値はいくつ」と一律の数値へ置き換えることはできません。
わが家では気密測定を行っていません。
現在は、完成後には見えにくい施工状態を記録する意味でも、測定の有無と結果の説明を事前に聞いておけばよかったと感じています。

わが家では気密測定をしていません。今なら断熱材の仕様だけでなく、気密測定を行うかも事前に確認します。
気密測定をする意味や住宅のすき間については、こちらの記事を参考にしてみてください。
G3までの追加費用は坪単価ではなく見積差額で見る

G2とG3の費用差は、全国共通の「坪単価が何万円上がる」という数字では決められません。
寒冷地では高性能な窓や付加断熱が標準の会社もあり、温暖地ではG3へ上げるために窓・壁・屋根の仕様を大きく変える場合もあります。
同じ住宅会社でも、商品や建築地、窓の数・サイズ、間取りによって差額が変わります。
比較したいのは、同じ間取りでG1相当、G2相当、必要ならG3相当へ変えた場合の追加費用と、冷暖房負荷の試算です。
その際、断熱材だけの価格を比べるのではなく、窓の変更、施工費、換気・空調計画、外壁の厚さが変わる場合の納まりまで含めた総額で見ます。
年間の光熱費差が計算できても、機器の更新、将来の料金変動、過ごしやすさの価値まで正確に金額へ置き換えるのは難しいところです。
私は、まず暮らしに必要な室温条件を決め、その条件を満たす仕様の差額を見る方法が現実的だと思います。
性能を含めた注文住宅全体の比較項目を確認したい場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。
G2相当の建売住宅や補助金は等級と分けて確認
建売住宅に「HEAT20 G2相当」と書かれていても、その表示だけで建築地の住宅シナリオを満たすと判断するのは避けたいです。
UA値が実際の建物で計算された値なのか、代表都市の目安に当てはめた表現なのか、正式な認証を受けているのかを確認します。
可能なら設計図書や性能評価書で、断熱等級、窓仕様、換気方式、気密測定の有無を確かめたいところです。
補助金もHEAT20 G2という呼び方だけで自動的に対象になるわけではありません。
制度ごとに求める断熱等級、一次エネルギー消費性能、対象工事、申請期限などが決められるため、申請時の公式要件で判定してもらいます。
特に補助金利用を前提に性能を上げる場合は、採択されなかったときの自己負担額まで含めた見積もりを用意すると判断しやすいです。
G2相当という宣伝と、国の等級取得・補助金の認定は分けて考えてください。
住宅会社には地域補正と断熱仕様を5項目で確認
G1とG2で迷うなら、建築地が決まった段階で住宅会社に同じ条件を伝え、次の5項目を確認すると比較しやすくなります。
- 建築地の市区町村・地域区分とHEAT20地域補正の根拠
- 計画中の間取りで計算したUA値・断熱等級
- G1・G2・G3で想定する暖冷房の部屋と運転時間
- 屋根・壁・床・窓の断熱構成と気密測定の有無
- 同じ間取りで性能を変えた差額と冷暖房負荷の試算
「標準でG2対応」と言われた場合も、どの地域、どの商品、どの窓構成で確認した数値なのかは聞いておきます。
2019年に私が複数の住宅会社からカタログを集めたときも、断熱材や窓、標準仕様への力の入れ方は会社ごとに違いました。
ただ、当時はUA値まで細かく比べていなかったため、今なら同じ間取りを前提にした計算結果を一緒に見ます。
断熱性能と各社の標準仕様を並べて比較する方法は、こちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ:HEAT20のG1・G2の違い
HEAT20のG1・G2の違いは、冬の室温と暖房負荷について、建築地に合わせてどの水準を目指すかにあります。
G3まで高める選択肢もありますが、代表都市のUA値と断熱等級の番号だけでは、あなたの住まいに必要な性能は決まりません。
- G1・G2・G3は断熱材の種類ではなく冬の住宅シナリオ
- HEAT20の代表都市UA値は地域補正を前提に読む
- 断熱等級6とG2を条件なしで同一視しない
- 暖冷房の使い方と同じ間取りの追加見積もりで選ぶ
私なら、建築地の地域補正を確認し、どの部屋まで暖かくしたいかを住宅会社に伝えてからG1・G2・G3の比較に進みます。
そのうえで、断熱材や窓の仕様、施工確認、初期費用と運用条件をそろえて比べれば、数字の見栄えだけで選ぶより納得しやすいと思います。
HEAT20の目標を整理できても住宅会社が未定なら、まず気になる会社のカタログを集めて候補を絞る方法があります。
SUUMO注文住宅では施工例や特徴を見ながら資料を請求できますが、請求後に住宅会社から電話やメールで連絡が入る場合もあるため、比較できる範囲で選んでください。
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